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頬摺
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ほゝず
ふりがな文庫
“
頬摺
(
ほゝず
)” の例文
利巧で、意地つ張りで、——十二年前、日向の筵の上で、指切りをしたり、
頬摺
(
ほゝず
)
りをしたことが、そんなに厄介なことになるとは思ひも寄りません。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
取留
(
とりと
)
めもなく
笑
(
わら
)
つた
拍子
(
ひやうし
)
に、
草
(
くさ
)
を
踏
(
ふ
)
んだ
爪先下
(
つまさきさが
)
りの
足許
(
あしもと
)
に
力
(
ちから
)
が
抜
(
ぬ
)
けたか、
婦
(
をんな
)
を
肩
(
かた
)
に、
恋
(
こひ
)
の
重荷
(
おもに
)
の
懸
(
かゝ
)
つた
方
(
はう
)
の
片膝
(
かたひざ
)
をはたと
支
(
つ
)
く、トはつと
手
(
て
)
を
離
(
はな
)
すと
同時
(
どうじ
)
に、
婦
(
をんな
)
の
黒髪
(
くろかみ
)
は
頬摺
(
ほゝず
)
れにづるりと
落
(
お
)
ちて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
母親は、娘の繃帶だらけの首を抱き上げて、
頬摺
(
ほゝず
)
りでもし度いやうな樣子で、平次の疑ひに抗議するのでした。
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
青い地味な
袷
(
あはせ
)
がよく似合つて、思ひ出したやうに娘の冷たい死顏と
頬摺
(
ほゝず
)
りする、痛々しい歎きを見せられて、平次は一歩部屋の中に入つた足を停めたほどでした。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
殘つた二人は白旗直八と
幇間
(
ほうかん
)
の左孝、二人共、鬼になりたくてなりたくて仕樣のないといふ人間——雛妓を追ひ廻して
頬摺
(
ほゝず
)
りするのを鬼の役得と心得て居る人間でした。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
抱いたり、搖ぶつたり、
頬摺
(
ほゝず
)
りしたり、お常は半狂亂の態ですが、勘太郎はもう息も絶え/″\、脈も途切れて、死の色が、町の子らしい華奢な顏に、薄黒い
隈
(
くま
)
を描いて行くのです。
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「大眞面目だよ、抱きついても構はねえ。首の後ろに眞つ赤な
痣
(
あざ
)
はないか、それを見極めるんだ。
頬摺
(
ほゝず
)
りぐらゐはしたつていゝとも。萬々一だよ、
髯
(
ひげ
)
を
削
(
そ
)
つた跡があつたら、其處で縛つてかまはねえ」
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頬
部首:⾴
15画
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
“頬”で始まる語句
頬
頬杖
頬冠
頬張
頬被
頬辺
頬骨
頬白
頬髯
頬桁