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険岨
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けんそ
ふりがな文庫
“
険岨
(
けんそ
)” の例文
そのあたりは
険岨
(
けんそ
)
で馬に
騎
(
の
)
っていくことができないので、馬を下男にわたして帰し、独りになって、うねりくねった山路を越えていった。
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
関所で駕籠乗物の用意をするというのを
謝絶
(
ことわ
)
って、やはり馬で行きました。
険岨
(
けんそ
)
な道へかかったら馬から下りて歩くと言って出て行きました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
道もない
険岨
(
けんそ
)
な山を
掻
(
か
)
きわけて登り、水の音を聞いてこの谷に降りて来た。
藪
(
やぶ
)
と木の根を伝い、岩をとび越えまた水の中を押し渡り、
砂礫
(
されき
)
を踏みつけた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
断崖
険岨
(
けんそ
)
の上に建ちまたは周囲を川や湖沢で囲んだものは、自身の出入りに不便であったというだけでなく、日常の用品にも早く欠乏しやすい
憾
(
うら
)
みがあった。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
生死のほども
如何
(
いかが
)
相なり候
哉
(
や
)
と、恐る/\
覗
(
のぞ
)
き申候に、崖はなか/\
険岨
(
けんそ
)
にて、
大木
(
たいぼく
)
横
(
よこ
)
ざまに茂り立ち候間より広々としたる墓場見え候のみにて、一向に人影も
無御座
(
ござなく
)
候。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
道が二筋に分れて一つは広い道幅の
平
(
たいら
)
な道であります、それに比べると他の一筋は小石のごろごろと転っている、
険岨
(
けんそ
)
の道で草の中に半分隠れていて余り人の通らない道のようであります。
迷い路
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これは外道の内部に在るのですから道は余程付いて居るけれども非常に
険岨
(
けんそ
)
であって普通の者には巡れない。もっとも雪のために
仆
(
たお
)
されあるいは岩のために進行の出来ない所が
沢山
(
たくさん
)
あるそうです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「おのおの方は、あまりよく口を利きなさるからそれで疲れるのだろう、すべて
険岨
(
けんそ
)
を通る時や
遠路
(
とおみち
)
をする時は、あまり口を利かない方がよいそうじゃ」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
或時
谷畠
(
たにはた
)
の里を未明に立ち、
智者山
(
ちしゃやま
)
の
険岨
(
けんそ
)
を越え、
八草
(
やくさ
)
の里に至る途中、夜既に明けんとするの
頃
(
ころ
)
深林を過ぐるに、前路に数十歩を隔てゝ大木の根元に、たけ一丈余の怪物よりかゝるさまにて
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
険
常用漢字
小5
部首:⾩
11画
岨
漢検準1級
部首:⼭
8画
“険”で始まる語句
険
険呑
険悪
険阻
険難
険峻
険相
険隘
険崖
険所