遊女あそびめ)” の例文
これ遊女あそびめタイデなり、いたく心にかなへりやと問へる馴染なじみの客に答へて、げにあやしくとこそといへるはかれなりき 一三三—一三五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
うかれのやうに化粧した薔薇ばらの花、遊女あそびめの心をつた薔薇ばらの花、綺麗きれいに顏をつた薔薇ばらの花、なさけ深さうな容子ようすをしておみせ、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
川ぞいの家々よりあまたの遊女あそびめたち水にさおさして寄りつどい候ありさま、せいしぼさちの降り立ちたまうか、楊柳観世音の仮形けぎょうしたまうかとあやしまれて
二人の稚児 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
たとえば、いつであったか忘れたが、むろへ、船を寄せ、旅の一夜を、遊女あそびめと共に過ごしたこともある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遊女あそびめが片手漕ぎする舟かともひるちかき照りの入江見てあり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その上には高山たかやまの上の城のごとく安らかに坐し、しきりにあたりをみまはしゐたるひとりのしまりなき遊女あそびめありき 一四八—一五〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「いつもお招きの遊女あそびめどもを、この水亭に坐りきれぬほど、大勢よんでいただきたいので」
阿諛おもねりまなこをチェーザレの家より放ちしことなく、おしなべての死、宮の罪惡なる遊女あそびめは 六四—六六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
河原に、楮幣ちょへいを皮肉った落首らくしゅを立てて捕まった法師だの、楮幣ではなをかンだことが知れて引っ張られた遊女あそびめだの、どうせ罪は軽いと信じているのか、割合にみな陽気なのである。
などと、西曲輪のうちへ、城下の遊女あそびめたちを招き入れ、むしろ、この方がよかったように、宵から夜半まで乱痴気らんちき騒ぎをしたあげく、やがてどれもこれも、酔いつぶれて、沼のように眠ってしまった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遊女あそびめくすしき獸も見えざりき 一六〇—一六二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「や。……また遊女あそびめどもが来ておるな。追っ払え、追っ払え」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遊女あそびめたちはやや色めいた。
遊女あそびめの好むもの
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)