迷兒まひご)” の例文
新字:迷児
ことの起原おこりといふのは、醉漢ゑひどれでも、喧嘩けんくわでもない、意趣斬いしゆぎりでも、竊盜せつたうでも、掏賊すりでもない。むつツばかりの可愛かはいいのが迷兒まひごになつた。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なあに、大丈夫氣をつけてさへ歩けば、何處まで行つたつて迷兒まひごになんかなりやしませんよ。角の勸工場と家の看板さへ知つてりや。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「何んだ、大變が迷兒まひごにでもなつたのか、相變らず騷々しい野郎だ」
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
あはれみ給へ、食事の時に迷兒まひごとなりしやうなる目付めつきを。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
迷兒まひごかなしさが充滿いつぱいなので、そんなことにはがつきやしないんだらう、巡査じゆんさにすかされて、いちやあ母樣おつかさんてくれないのとばかりおもんだので
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その飼犬かひいぬではないらしいが、毛色けいろい、みゝれた、すらつとしたのが、のつそり、うしろについてたが、みんなで、がや/\いつて、迷兒まひごにかゝりあつて、うつかりしてるひま
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)