のう)” の例文
なぜのう学校を二年もやってから師範学校なんかへ行くのだろう。高橋君は家でかせいでいてあとは学校へは行かないと云ったそうだ。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
のう、なんでしょう。——ああ新潟県で思い出した。この間あなたが御出おいでのときちがいに出て行った男があるでしょう」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
月やくより三日にあたる日の夕ぐれ、家内のもののう業よりかへらざるをしりしにや、かのもの久しぶりにてきたれり。
三河武士が主君家康いえやすたすけて、かれの大志をなさしめた要因は、三河武士すべてが一致して、のうもととし、農武ひとつに、艱苦を克服して来たからである。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これについて思い合わされる一つの事実は、以前は越後えちごでは好いおしめりをもとめるために、田植のはじめ苗代なわしろのおわりころに、のうやすみの日が何日かあった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「べつに、のうたすけるひとでないようだな。それなら、東京とうきょうはたらいてみないか。いや、みだりに都会とかいへゆけとすすめるのでない。」と、先生せんせいは、おっしゃられた。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくはのう学校の三年生になったときから今日まで三年の間のぼくの日誌にっし公開こうかいする。どうせぼくは字も文章ぶんしょう下手へただ。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
月やくより三日にあたる日の夕ぐれ、家内のもののう業よりかへらざるをしりしにや、かのもの久しぶりにてきたれり。
何をするんだと云ったら、なんだ、のう学校おわったって自分だけいいことをするなと云うのだ。ぼくもむっとした。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)