ぐわう)” の例文
裏の林は鳴つて、枝と枝との触れる音、葉と葉とのすれる音が一つにかたまつてぐわうと言ふ音を立てた。空は墨を流したやうに暗かつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
程なく列車がぐわうと音を立てて松川の鉄橋にさしかかると、窓外そとを眺めて黙つてゐた吉野は
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
つかへて、かた食入くひいつて、かすかにもうごかぬので、はツとおもふと、谷々たに/″\峰々みね/\一陣いちぢんぐわう!とわたかぜおと吃驚びつくりして、數千仞すうせんじん谷底たにそこへ、眞倒まつさかさまちたとおもつて、小屋こやなかからころがりした。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ぐわう轟と頭上に下に
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ぐわうといふ音、ザアと降る音、それがあとからあとへと続いてやつて来た。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)