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跼
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うずく
ふりがな文庫
“
跼
(
うずく
)” の例文
その中の一人は、我々の依頼者の若い美しい女性で、口にはハンカチーフを巻きつけられ、全く気絶したように、正体もなく崩れ
跼
(
うずく
)
まっていた。
自転車嬢の危難
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
平たい庭石の上に用意して在った炭俵の上にガサガサと土下座をすると、頬冠を取った目明の良助は、その
側
(
かたわら
)
から少し離れて、型の如く爪先立ちに
跼
(
うずく
)
まった。
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
花の下の
跼
(
うずく
)
まりから
醒
(
さ
)
めたように、そして、なおどこかには、茫然としたものを脱しきれない顔でもあった。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兎
(
と
)
にかく市郎の身に
恙
(
つつが
)
なかったのは何よりの
幸福
(
さいわい
)
であったと、お葉は安堵の胸を
撫下
(
なでおろ
)
すと同時に、我が
眼前
(
めのまえ
)
に雪を浴びて、
狗児
(
いぬころ
)
のように
跼
(
うずく
)
まっている重太郎を哀れに思った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
室
(
へや
)
の奥の押入の前に立てた、新聞
貼
(
ばり
)
の屏風の蔭に、コッソリと
跼
(
うずく
)
まり込みながら、眼の前で、苦しそうに肩で
呼吸
(
いき
)
している福太郎の顔を、一心に見守っていた。
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
何かいっそう黒い影が、その蔭の
角
(
すみ
)
のところを這いまわって、戸口の前に
跼
(
うずく
)
まったのでした。
暗号舞踏人の謎
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
わが痩せたる手に捧げ来りてここに
置据
(
おきす
)
えたるもの、今や重ねてこれを見て我はそも何とかいわん、胸
先
(
ま
)
ず
塞
(
ふさ
)
がりて墓標の前に
跼
(
うずく
)
まれば、父が世に
在
(
あ
)
りし頃親しく
往来
(
ゆきかい
)
せし二、三の人
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
秀吉は膝を折って、共にそこへ
跼
(
うずく
)
まりながら、まるで身寄りの者に親しむように
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十
燭
(
しょく
)
の電燈に照らされた板張りの上の小さな火鉢に、消し炭が一パイに盛られている傍に、男と女が寄り添うようにして
跼
(
うずく
)
まって、
濡
(
ぬ
)
れくたれた着物の
袖
(
そで
)
を
焙
(
あぶ
)
っている。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
……息が詰まったかと思う腰の痛さを、頭の中心まで
泌
(
し
)
み渡らせながら彼は、
咄嗟
(
とっさ
)
に半身を起してマキリを構えた。眼の前、一
間
(
けん
)
ばかり向うの闇の中に
跼
(
うずく
)
まっている白い物体に
対
(
むか
)
って身構えた。
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
跼
漢検1級
部首:⾜
14画
“跼”を含む語句
跼蹐
前跼
蹲跼
心跼
踞跼