貯金ちよきん)” の例文
道子みちこ其辺そのへんのアパートをさがして一人暮ひとりぐらしをすることになつたが、郵便局いうびんきよく貯金ちよきんはあらかた使つかはれてしまひ、着物きものまで満足まんぞくにはのこつてゐない始末しまつ
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「よせ、よせ。ぼくはそんな貯金ちよきんなんて、けちくさい、打算的ださんてきなやりかた大嫌だいきらひだ。なアに、そのときはまたそのときでどうにかなる。いや、きつと、どうにかするよ」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いかほど抱主かゝへぬし歩割ぶわりられても、自分じぶん一人ひとりでは使つかれないくらいで、三ねん年季ねんきけるころには鏡台きやうだい箪笥たんすつてゐたし、郵便局いうびんきよく貯金ちよきんまん以上いじやうになつてゐたが、かへるべきうちがないので
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「ふん、それでまた貯金ちよきんでもしたいつていふれい口癖くちぐせだらう?」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
道子みちこふたゝ近処きんじよ郵便局いうびんきよく貯金ちよきんをしはじめた。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)