貞宗さだむね)” の例文
見拔みぬきたれば申し殘す一儀あり我死なば具足櫃ぐそくびつの内に貞宗さだむねの短刀と用金のたくはへ五百兩あり其内金二百兩と短刀たんたうはお花が行衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
父が、素気すげなく拒絶する。相手が父を侮辱するような言葉を放つ。いら/\し切っている父が激怒する。恐ろしい格闘が起る。父が、秘蔵の貞宗さだむねの刀を持ち出して来る。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
見た人があつて、恐ろしくびて居る上に無銘むめいだが、彦四郎貞宗さだむねに間違ひはない、若し間違ひだつたら、俺のそんといふことにして、現金十兩で買ふがどうだ、といふ話でさ
少しわれがに云い聞かせるが、おれは何にも知らねえが、これは父様とっさまが御先祖さまから譲られた品だから、貧乏してもこればかりは放せねえ、貞宗さだむねとか何とかいう脇差だって、大切でえじにしていたから
致すべしと言れてお花も成程なるほどと思ひしが友次郎の言葉にしたがひければ忠八も安堵あんどして先喜内が紀念かたみつかはしたる貞宗さだむねの短刀と金二百兩并びに佐太夫がおはなへとておくりたる金二百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お花は心得たりと貞宗さだむね短刀たんたうを以て切結きりむすぶに女なれども喜内の妹ゆゑかねて手におぼえも有其上兄のかたきと思ひ一心こめ切立きりたてれば吾助もあなどがたくや思ひけん爰を專途せんどと戰ふ程に友次郎も忠八も手にあせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)