護謨風船ゴムふうせん)” の例文
先刻さっきまで庭で護謨風船ゴムふうせんげて騒いでいた小供達は、みんな連れ立って活動写真へ行ってしまった。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この店の曲り角の影になった所で、黒い山高帽をかぶった三十ぐらいの男が地面の上へ気楽そうに胡坐あぐらをかいて、ええ御子供衆の御慰おなぐさみと云いながら、大きな護謨風船ゴムふうせんふくらましている。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「うん、面白おもしろいものがつたつけ」とひながら、たもとからつて護謨風船ゴムふうせん達磨だるまして、おほきくふくらませてせた。さうして、それをわんふたうへせて、その特色とくしよく説明せつめいしてかせた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「うん、面白いものが有ったっけ」と云いながら、たもとから買って来た護謨風船ゴムふうせん達磨だるまを出して、大きくふくらませて見せた。そうして、それをわんふたの上へせて、その特色を説明して聞かせた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あれは全く護謨風船ゴムふうせんに穴がいて、その穴から空気が一度に走り出したため、風船の皮がたちまちしゅっという音と共に収縮したと一般の吐血だから、それでああ身体からだこたえたのだろうと判断した。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)