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譚
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たん
ふりがな文庫
“
譚
(
たん
)” の例文
彼等の一家は今打ち
揃
(
そろ
)
って食卓を囲みながら、父親と、息子と、娘とが、代る代る今日の冒険
譚
(
たん
)
を母親に物語っているのでもあろう。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
譚
(
たん
)
は若い船頭に命令を与える必要上、ボオトの
艫
(
へさき
)
に陣どっていた。が、命令を与えるよりものべつに僕に話しかけていた。
湖南の扇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
呪
(
のろ
)
われた島を私が訪ねた時、此の男は極めて快活な様子で、過去の自分の冒険
譚
(
たん
)
を聞かせて呉れた。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
一つの教訓
譚
(
たん
)
としては首尾整ってもいるが、私などから見ると、これも一種の合理化であって、つまりは古い頃の俗信の一部が、もう稀薄になった結果としか考えられない。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いくつかの事実
譚
(
たん
)
を
披瀝
(
ひれき
)
して、人間「高橋房次」の断面を、私は語ることにしたい。
生きているコタンの銅像:――アイヌの慈父・高橋房次――
(新字新仮名)
/
知里真志保
(著)
▼ もっと見る
不思議と思えば不思議、何でもないと言えば何のこともなさそうな事実
譚
(
たん
)
である。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「そうだろうよ」と、私はひとり合点をして、
頷
(
うなず
)
いた。ついに、折竹も語るに落ちたか、魔境中の魔境などと偉そうなことをいうが、やはり結句は、死霊あつまるというエスキモーの迷信
譚
(
たん
)
。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
彼女はちょっと目礼したぎり、
躍
(
おど
)
るように
譚
(
たん
)
の側へ歩み寄った。しかも彼の隣に
坐
(
すわ
)
ると、片手を彼の
膝
(
ひざ
)
の上に置き、
宛囀
(
えんてん
)
と何かしゃべり出した。
湖南の扇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ディナーの時間迄ステイヴンスンは独りで寐たまま、休んでは書き、書いては休みする。ロイド少年の画いていた或る地図から思いついた海賊冒険
譚
(
たん
)
を、彼は書続けていた。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
譚
(
たん
)
は
殆
(
ほとん
)
ど左利きのように残りの一片を投げてよこした。僕は小皿や
箸
(
はし
)
の間からその一片を拾い上げた。
湖南の扇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“譚”の解説
譚(たん)は、漢姓のひとつ。『百家姓』の293番目。
(出典:Wikipedia)
譚
漢検1級
部首:⾔
19画
“譚”を含む語句
後日譚
譚詩
山島民譚集
夜譚随録
奇譚
昔譚
譚歌
冒険譚
立志譚
神仙譚
風流譚
綺譚
実見譚
譚海
菜根譚
伽譚
動物譚原
仏本生譚
濹東綺譚
聖譚曲
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