諸君みなさん)” の例文
わたしのところへ諸君みなさんがおいでになるのだつたら、国道をディカーニカ目ざして真直にやつて来て頂けばよろしい。
数学のうちに幾何というものがある。幾何を学ぶにわ、是非とも定木じょうぎが入る。その定木の中に、三角定木というのがある。——これわ大方諸君みなさんも御存じでしょう。
三角と四角 (その他) / 巌谷小波(著)
東京の夜の有様を話して呉れとの諸君みなさんのお望、よろしい、話しましよう、然し僕は重に赤坂区に住んで居たから、赤坂区だけの、実地に見た処を話すことに致します。
夜の赤坂 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
どうぞ、お試し下さい、口はわざわいかど、諸病は口からと申すではありませんか、歯は大事にして下さい、口は綺麗にして下さいまし、ねえ、私が願います、どうぞ諸君みなさん
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「私は諸君みなさん方を信用して、この場に諸君みなさんたちがおられるのを黙っているのですが……」
日本に居ることによってあまりにその境遇にれしたしみ、恵まれた運命に感謝することさえ忘れている大それた諸君みなさんには、とうてい察しが届くまいと私は逸早くあきらめている。
あげおほせの如く此久八は元三州藤川宿の町外れに捨置すておかれし身に御座候(これより久八の履歴ことがらは六右衞門が申立の讀續よみつゞきなれども人情にんじやう貫徹つらぬかざる所も有により讀本よみほん口調くてうかゆれば諸君みなさん怪給あやしみたまふなかれ)
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかめて歩く此時の体相ていさう諸君みなさんにお目にかけずに仕合せサ惡い時にはいけない事が續くもので福嶋から二里ばかりの道は木曾とは思はれぬ只の田甫たんぼ泥濘ぬかるみにて下駄の齒は泥に吸ひつかれて運ぶに重く傘の先は深くはまりて拔くに力がる程ゆゑ痛みはいよ/\強く人々におくれて泣たい苦しみ梅花道人さすがに見捨がたくや立戻りて勢ひを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
開いて「伯爵決して御心配なさらないで下さい。こんな脅迫おどかしがあったって我々警察の方で十分警戒しているのですから、令嬢方も決して御心配は入りません。大丈夫です。それから今度は諸君みなさんのことですがね。」