言語同断ごんごどうだん)” の例文
旧字:言語同斷
しかも敵兵の介抱が急がしいので、其様そんなことあ考へてるひまもなかつたなんぞと、憶面おくめんもなくいふ如きに至つては言語同断ごんごどうだんといはざるを得ん。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一国の代議士と言われる人で平生へいぜいさかんに立憲論を唱えながら家にあっては酒道楽にふけり女道楽にすさ言語同断ごんごどうだん乱暴狼藉らんぼうろうぜき朝から晩まで我が家庭に対して非立憲の行為を
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「いや、まことに言語同断ごんごどうだんで、ああ云うのは必竟ひっきょう世間見ずの我儘わがままから起るのだから、ちっとらしめのためにいじめてやるが好かろうと思って、少し当ってやったよ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かせぐものあればあそぶ者ありめる者あればふ者あるが即ち実相じつさうなればおの一人ひとり勝手かつて出放題ではうだいをこねつけてかほをするは云はふやうなき歿分暁漢わからずや言語同断ごんごどうだんといふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
吾輩は人間と同居して彼等を観察すればするほど、彼等は我儘わがままなものだと断言せざるを得ないようになった。ことに吾輩が時々同衾どうきんする小供のごときに至っては言語同断ごんごどうだんである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
... 君が以前食べたというのはどういうふうに料理したか」大原「牛肉の煮込のように鍋の中へ豚の生肉をんで煮たのさ」主人「アハハそれこそ言語同断ごんごどうだん乱暴狼藉らんぼうろうぜきというものだ。 ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
看護婦どころか大切な病人を預かる病院へ行って患者に与える食物を検査してみ給え、実に言語同断ごんごどうだんなものだぜ。二、三の病院を除くのほか大概は病人の食物を賄方まかないかた任せにしてある。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)