見𢌞みまは)” の例文
四邊あたり見𢌞みまはせば不圖ふと眼にとまる經机きやうづくゑの上にある薄色の折紙、取り上げ見れば維盛卿の筆と覺しく、水莖みづぐきの跡あざやかに走り書せる二首の和歌
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
道翹だうげうくもはらひつゝさきつて、りよ豐干ぶかんのゐた明家あきやれてつた。がもうかつたので、薄暗うすくら屋内をくない見𢌞みまはすに、がらんとしてなに一つい。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
長吉ちやうきち釣師つりしの一人が握飯にぎりめしを食ひはじめたのを見て、同じやうに弁当箱べんたうばこを開いた。開いたけれどもなんだかまりが悪くて、たれか見てゐやしないかときよろ/\四辺あたり見𢌞みまはした。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)