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襄邑
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じやういふ
我聞く。——
魏の
正始の
時、
中山の
周南は、
襄邑の
長たりき。
一日戸を
出づるに、
門の
石垣の
隙間から、
大鼠がちよろりと
出て、
周南に
向つて
立つた。
此奴が
角巾、
帛衣して
居たと
言ふ。
と
言ふと
齊しく、ひつくり
返つて、
其の
鼠がころつと
死んだ。
同時に、
巾と
帛が
消えて
散つた。
魏の
襄邑の
長、その
時思入があつて、じつと
見ると、
常の
貧弱な
鼠のみ。
周南壽。と
言ふのである。