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裁着
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たッつけ
面長く髪の白きが、草色の
針目衣に、
朽葉色の
裁着穿いて、
草鞋を
爪反りや、
巌端にちょこなんと
平胡坐かいてぞいたりける。
いや最前から
各々方のお話を聞いていると、
可笑しくてたまらんの、拙者も長旅で
表向紫縮緬の
服紗包を
斜に
脊負い、
裁着を
穿いて頭を
結髪にして歩く身の上ではない
汚れた
萌黄の
裁着に、
泥草鞋の乾いた
埃も、
霞が麦にかかるよう、
志して
何処へ
行く。
早その太鼓を
打留めて、
急足に近づいた。いずれも子獅子の
角兵衛大小。
工人、
近江之丞桃六、
六十じばかりの柔和なる老人。
頭巾、
裁着、火打袋を腰に、扇を使うて
顕る。
鯉七。鯉の精。夕顔の蔭より、するすると
顕る。
黒白鱗の
帷子、同じ
鱗形の
裁着、
鰭のごときひらひら足袋。
件の竹の小笠に、
面を
蔽いながら来り、はたとその小笠を
擲つ。