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螢火
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ほたるび
ところが、
立派な
光のあるはずの
鉢に
螢火ほどの
光もないので、すぐに
註文ちがひといつて
跳ねつけられてしまひました。
自慢も
交じる
親切に
螢火大事さうに
挾み
上げて、
積み
立てし
炭の
上にのせ、
四邊の
新聞みつ四つに
折りて、
隅の
方よりそよ/\と
煽ぐに、いつしか
是れより
彼れに
移りて
一郎がおびえて叫んだ時には、ライターはもう、
螢火の様な
果敢ない光になっていた。
月の前の
螢火のように、見る影もなく消されてしまった。