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蝨
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しらみ
ふりがな文庫
“
蝨
(
しらみ
)” の例文
風呂へはいることはないし、顔も洗わない。
蝨
(
しらみ
)
だらけ
蚤
(
のみ
)
だらけである。もちろん親類もなく遊ぶ者もいない、というのがお繁であった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「その山宮泉は昔、芥川龍之介論で『歯車』のことを書いていて、人間の脳の襞を無数の
蝨
(
しらみ
)
が喰ひ荒らしてゆく幻想をとりあげてゐるのだが……」
二つの死
(新字旧仮名)
/
原民喜
(著)
云わば少しばかり金が出来たからとて公債を買って置こうなどという、そんな
蝨
(
しらみ
)
ッたかりの
魂魄
(
たましい
)
とは魂魄が違う。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
横堀は
蝨
(
しらみ
)
をわかせていそうだし、起せば家人が嫌がる前に横堀が恐縮するだろう。見栄坊の男だった。
世相
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
なぜ
死期
(
しご
)
の近い病人の体を
蝨
(
しらみ
)
が離れるように、あの女は離れないだろう。それに今の飾磨屋の性質はどうだ。傍観者ではないか。傍観者は女の好んで
択
(
えら
)
ぶ相手ではない。
百物語
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
何ぞ其言の
飄逸
(
へういつ
)
として捕捉すべからざるが如くなるや。世の礼法君子は
蝨
(
しらみ
)
の褌に処する如しと曰ひし阮籍も
蓋
(
けだ
)
し斯の如きに過ぎざりしなるべし、梁川星巌芭蕉を詠じて曰く
唯心的、凡神的傾向に就て(承前)
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
文字を覚えてから急に
蝨
(
しらみ
)
を
捕
(
と
)
るのが
下手
(
へた
)
になった者、眼に
埃
(
ほこり
)
が余計はいるようになった者、今まで良く見えた空の
鷲
(
わし
)
の姿が見えなくなった者、空の色が以前ほど
碧
(
あお
)
くなくなったという者などが
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
すると運悪くその胴着に
蝨
(
しらみ
)
がたかりました。友達はちょうど
幸
(
さいわ
)
いとでも思ったのでしょう、評判の胴着をぐるぐると丸めて、散歩に出たついでに、
根津
(
ねづ
)
の大きな
泥溝
(
どぶ
)
の中へ
棄
(
す
)
ててしまいました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それには似ずて、
蝨
(
しらみ
)
等は
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
けれども毒飼は最もケチビンタな、
蝨
(
しらみ
)
ッたかりの、クスブリ魂の、きたない
奸人
(
かんじん
)
小人
妬婦
(
とふ
)
悪婦の為すことで、人間の考え出したことの中で最も醜悪卑劣の事である。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
美津子は
蝨
(
しらみ
)
を湧かしていてポリ/\頭をかいていたが、その手が吃驚するほど白かった。
放浪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
いつもどこかの
海苔
(
のり
)
漉
(
す
)
き小屋か、
納屋
(
なや
)
か、ひび置き場に寝る。
風呂
(
ふろ
)
へはいることはないし、顔も洗わない。
蝨
(
しらみ
)
だらけ
蚤
(
のみ
)
だらけである。もちろん親類もなく遊ぶ者もいない、というのがお繁であった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
南京虫、
蝨
(
しらみ
)
の王の
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
碌
(
ろく
)
な店も工場も持って居ぬ奴が小やかましい説教沙汰ばかりを店員や職工に下して、おのれは
坐蒲団
(
ざぶとん
)
の上で煙草をふかしながら好い事を仕たがる如き
蝨
(
しらみ
)
ッたかりとは丸で段が違う。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“蝨(シラミ)”の解説
シラミ(虱、蝨)は、昆虫綱咀顎目シラミ小目 (Anoplura) に属する昆虫の総称。全種が血液や体液を吸う寄生生物である。かつてはシラミ目(裸尾目、学名は同じAnoplura)ともされた。
広義には、咀顎目のうち寄生性のものの総称として、シラミ小目のほか、主に体毛や羽毛を咀嚼するハジラミ類が含まれる(シラミ類(Phthiraptera)。かつてはこれに目階級を与えることもあった)。咀顎目にはシラミ小目とハジラミ類のほかに、寄生性でないチャタテムシがいる。
(出典:Wikipedia)
蝨
漢検1級
部首:⾍
15画
“蝨”を含む語句
牛蝨
壁蝨
毛蝨
笹蝨
蝨斯