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蘿月
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らげつ
ふりがな文庫
“
蘿月
(
らげつ
)” の例文
「だから、
云
(
い
)
はない
事
(
こ
)
ツちやない。」と
蘿月
(
らげつ
)
は軽く
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
で
膝頭
(
ひざがしら
)
をたゝいた。お
豊
(
とよ
)
は
長吉
(
ちやうきち
)
とお
糸
(
いと
)
のことが
唯
(
たゞ
)
何
(
なん
)
となしに心配でならない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
蘿月
(
らげつ
)
の
伯父
(
をぢ
)
さんの
云
(
い
)
つたやうに、あの
時分
(
じぶん
)
から
三味線
(
しやみせん
)
を
稽古
(
けいこ
)
したなら、
今頃
(
いまごろ
)
は
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
一人前
(
いちにんまへ
)
の芸人になつてゐたに違ひない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
成程
(
なるほど
)
。」と
蘿月
(
らげつ
)
は
頷付
(
うなづ
)
いて、「さういふ事なら
打捨
(
うつちや
)
つても置けまい。もう何年になるかな、
親爺
(
おやぢ
)
が死んでから………。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お豊は
途法
(
とほう
)
に暮れた結果、兄の
蘿月
(
らげつ
)
に相談して見るより
外
(
ほか
)
に仕様がないと思ったのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もう返らない幾年か前
蘿月
(
らげつ
)
の伯父につれられお糸も
一所
(
いっしょ
)
に
酉
(
とり
)
の
市
(
いち
)
へ行った事があった……
毎年
(
まいとし
)
その日の事を思い出す頃から
間
(
ま
)
もなく、今年も去年と同じような寒い十二月がやって来るのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
午後
(
ひるすぎ
)
から
亀井戸
(
かめいど
)
の
竜眼寺
(
りゅうがんじ
)
の書院で
俳諧
(
はいかい
)
の
運座
(
うんざ
)
があるというので、
蘿月
(
らげつ
)
はその日の午前に訪ねて来た長吉と
茶漬
(
ちゃづけ
)
をすました
後
(
のち
)
、
小梅
(
こうめ
)
の
住居
(
すまい
)
から
押上
(
おしあげ
)
の
堀割
(
ほりわり
)
を
柳島
(
やなぎしま
)
の方へと連れだって話しながら歩いた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
蘿
漢検1級
部首:⾋
22画
月
常用漢字
小1
部首:⽉
4画
“蘿月”で始まる語句
蘿月宗匠
蘿月伯父