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菰冠
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こもかぶ
ふりがな文庫
“
菰冠
(
こもかぶ
)” の例文
土手にはろくな酒がないし、お邸には口を開けたばかりの
菰冠
(
こもかぶ
)
りがありますから、竹屋の渡しを渡って、駒形まで飛んで帰りましたよ。
銭形平次捕物控:040 大村兵庫の眼玉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
やがて松の家の芸者が立てつづけに土地での
玉数
(
ぎょくかず
)
のトップを切り、派手好きの松島は、
菰冠
(
こもかぶ
)
りを見番へ
担
(
かつ
)
ぎ込ませるという景気であった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
赤の飯、
刻鰑
(
きざみするめ
)
菎蒻
(
こんにゃく
)
里芋蓮根の
煮染
(
にしめ
)
、豆腐に芋の汁、はずんだ家では
菰冠
(
こもかぶ
)
りを一樽とって、主も客も
芽出度
(
めでたい
)
と云って飲み、万歳と云っては食い、満腹満足、
真赤
(
まっか
)
になって祝うのだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
銘酒山盛りの
菰冠
(
こもかぶ
)
りが一本据ゑてあつて、赤ちやんをねんねこに負ぶつた夫人が、栓をぬいた筒口から酒をぢかに受けた燗徳利を鐵瓶につけ、
小蕪
(
こかぶ
)
の漬物、燒海苔など
肴
(
さかな
)
に酒になつた。
足相撲
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
菰冠
(
こもかぶ
)
りがひとつドデンと据えられ、輪飾りや
七五三
(
しめ
)
飾りがちらばっている大きな台所へゆくと、チャンと大工道具が置かれてあった。お八重が棚板を二枚持ってきてニコッと笑っていった。
円太郎馬車
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
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土手にはろくな酒がないし、お邸には口を開けたばかりの
菰冠
(
こもかぶ
)
りがありますから、竹屋の渡しを渡つて、駒形まで飛んで歸りましたよ。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「開業三周年を祝して……」と新吉の店に
菰冠
(
こもかぶ
)
りが積み上げられた、その秋の末、お作はまた
身重
(
みおも
)
になった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
滿潮にふくれた河水がぺちやぺちやと石垣を
舐
(
な
)
める川縁から倉庫までの間に
莚
(
むしろ
)
を敷き詰めて、その上を問屋の若い衆達が麻の前垂に捩鉢卷で
菰冠
(
こもかぶ
)
りの四斗樽をころがし乍ら倉庫の中に運んでゐるのが
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
喰積
(
くいつ
)
みとかいうような物も一ト通り拵えてくれた。
晦日
(
みそか
)
の晩には、
店頭
(
みせさき
)
に積み上げた
菰冠
(
こもかぶ
)
りに
弓張
(
ゆみはり
)
が
点
(
とも
)
されて、
幽暗
(
ほのぐら
)
い新開の町も、この
界隈
(
かいわい
)
ばかりは明るかった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そんな時にはきっと料理場で
菰冠
(
こもかぶ
)
りの飲口を抜いてコップで酒を
呷
(
あお
)
ったり、お袋に突っかかったりした。そうしたあげくに、金を
掴
(
つか
)
みだして、ぷいと家を飛び出して行った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
どこかやんばらなようなところのある内儀さんは、
継子
(
ままこ
)
がいなくなってからは、時々劇しくお爺さんに喰ってかかった。
喧嘩
(
けんか
)
をすると、じきに
菰冠
(
こもかぶ
)
りの呑み口を抜いて、コップで
冷酒
(
ひやざけ
)
をも
呷
(
あお
)
った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
菰
漢検準1級
部首:⾋
12画
冠
常用漢字
中学
部首:⼍
9画
“菰”で始まる語句
菰
菰包
菰被
菰樽
菰僧
菰田
菰莚
菰掛
菰梱
菰垂