菊池寛きくちくわん)” の例文
しかし誰もに受けない。久米正雄くめまさをの如きはにやにやしながら、「菊池寛きくちくわんが弱気になつてね」などと大いに僕を嘲弄てうろうしたものである。
相手方あひてかた勿論もちろん仲間内なかまうちおほく、始終しじうかほあはせるのが六だん佐佐木茂索ささきもさく、三だん和木わぎせいらう、三だん池谷いけのやしんらうなどで、ときに六だん菊池寛きくちくわん、五だん廣津和郎ひろつかづを、七だん川崎備寛かはさきびくわん、六だん濱尾はまをらう、四だん古川緑波ふるかはりよくは
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
菊池寛きくちくわんの作品の——殊に「父帰る」の愛読者。東京の法科大学をいで三井物産みつゐぶつさんはりり、今は独立の商売人なり。実生活上にも適度のリアリズムを加へたる人道主義者。
学校友だち (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その他菊池寛きくちくわん久米正雄くめまさを山本有三やまもというざう岡栄一郎をかえいいちらう成瀬正一なるせしやういち松岡譲まつをかゆづる江口渙えぐちくわん等も学校友だちなり。
学校友だち (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
客 菊池寛きくちくわん氏の説によると、我我は今度のだい地震のやうに命も危いと云ふ場合は芸術も何もあつたものぢやない。まづ命あつての物種ものだね尻端折しりはしよりをするのにいそがしさうだ。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
今夜ふと菊池寛きくちくわん著す所の「極楽ごくらく」を出して見たが、菊池の小説の如きは粗とは云へても、終始雑俗の気にはけがれてゐない。その証拠には作中の言葉が、かれしかれ満ちてゐる。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これにあつめてあるのは国木田独歩くにきだどつぽ夏目漱石なつめそうせき森鴎外もりおうぐわい鈴木三重吉すずきみへきち武者小路実篤むしやのこうぢさねあつ有島武郎ありしまたけを長与善郎ながよよしを志賀直哉しがなほや千家元麿せんけもとまろ江馬修えましう江口渙えぐちくわん菊池寛きくちくわん佐藤春夫さとうはるを加藤武雄かとうたけを、僕、この十五人
日本小説の支那訳 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし僕の所見によれば、菊池寛きくちくわんはこの資格に乏しい。
ぢや君も菊池寛きくちくわん氏に全然賛成さんせいしてゐるのかね?
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)