“船饅頭”の読み方と例文
読み方割合
ふなまんじゅう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから比丘尼びくに(比丘尼姿の売女)とか、船饅頭ふなまんじゅう(浜辺の小舟で売色した私娼)という下等の売春婦に、江戸の市民は決して近づかない。
平次放談 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
近頃、岡場所のお取締りがきびしいため、大阪の川筋に苫舟とまぶねをうかべ、江戸の船饅頭ふなまんじゅうやお千代舟などにならった密売女かくしばいたが、おびただしいかたをいたしおる。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蜀山人しょくさんじん吟咏ぎんえいのめりやすにそぞろ天明てんめいの昔をしのばせる仮宅かりたく繁昌はんじょうも、今はあしのみ茂る中洲なかすを過ぎ、気味悪く人を呼ぶ船饅頭ふなまんじゅうの声をねぐら定めぬ水禽みずとり鳴音なくねかと怪しみつつ新大橋しんおおはしをもあとにすると
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)