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背負揚
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しよいあげ
けれど
私は
如何いふものか、
其に
触つて
見る
気は
少しもなく、
唯端の
喰出した、一
筋の
背負揚、それが
私の
不安の
中心点であつた。
抽斗を
透して、
私と
背負揚を
引張出して
見ると、
白粉やら
香水やら、
女の
移香が
鼻に
通つて、
私の
胸は
妙にワク/\して
来た。
背負揚のうちに、
何等の
秘密があらうとは
思はぬ。が、もし
有つたら
如何する?と
叫んだのも、
恐く
此の
猜疑心であらう。
私はそれを
感ずると
同時に、
妙に
可厭な
気が
差した。