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育
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はぐ
ふりがな文庫
“
育
(
はぐ
)” の例文
あとから思量すれば、そういう経験のなかに、近代ロマンチック精神の
育
(
はぐ
)
くまれつつあった実証が
朧
(
おぼろ
)
げながら見られる。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
ルーテル派の敬虔な信仰と、アイゼナッハの美しい風光と、父親と兄との音楽的教養は、バッハ後年の偉大なる才能と、
惇厚柔和
(
とんこうにゅうわ
)
な風格を
育
(
はぐ
)
くんでいったのである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
けれども更に私の眼を
驚喜
(
きょうき
)
せしめたものは、熔岩流の間に
育
(
はぐ
)
くまれたところの自然の美しさであった。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
ときどき彼らはちらりちらりと恥ずかしそうに眼をかわしているのをわたしはその宵のうちに見ていたので、二人のあいだには、やさしい心が
育
(
はぐ
)
くまれつつあるのだと思った。
クリスマス・イーヴ
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
いとけなく
育
(
はぐ
)
くまれるものの愛に媚びる感覚が、あきらかにおれの心にかんじられた。
月に吠える:02 月に吠える
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
母も雲——父も雲——
兄弟
(
はらから
)
も友達も雲よりしかないと思っているような——孤児の
生
(
お
)
い立ちの中に、いつのまにか、
育
(
はぐ
)
くまれていた、この冷たさに違いない。——又八はそう思った。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あたかも丁度私の幼年時代もまたその木と同じく、殆ど花らしいものを人目につかせずに、しかもこうやっていつか私に
愉
(
たの
)
しい
生
(
いのち
)
の果実を
育
(
はぐ
)
くんでいてくれているとでも云うように……
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
地獄の鉄の壁から伝はつてくる大地の
冷気
(
ひえ
)
に
育
(
はぐ
)
くまれ、常に人生といふ都の外濠伝ひに、影の如く立ち並ぶ冬枯の柳の下を、影の如くそこはかと走り続けて来た、所謂
自然生
(
じねんじよ
)
の放浪者
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
強く
柔
(
やさ
)
しく、尊敬にみちた彼女への愛着心を
育
(
はぐ
)
くむのを止めはしなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
歴代の封建制度を破って、今日の新日本が生れ、改造された明治前後には、俊豪、逸才が多く生れ、
育
(
はぐ
)
くまれ
培
(
つちか
)
われつつあった時代である。貞奴は遅ればせに、またやや早めに生れて来たのである。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その白々とさめた後の生活に久保田君の詩は完全に
育
(
はぐ
)
くまれる。
貝殻追放:015 「末枯」の作者
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
差入れの桜咲きたり
育
(
はぐ
)
くまれ至りし今の笑みを愛しむ
遺愛集:02 遺愛集
(新字新仮名)
/
島秋人
(著)
偶然にも造花の
惡戯
(
いたづら
)
によつて造られ、親も知らず兄弟も知らずに、蟲の啼く野の石に捨てられて、地獄の鐵の壁から傳はつてくる大地の冷氣に
育
(
はぐ
)
くまれ、常に人生といふ都の外濠傳ひに
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
育
常用漢字
小3
部首:⾁
8画
“育”を含む語句
教育
紐育
養育
生育
撫育
哺育
山家育
野育
育馬所
無教育
阿育
都育
御養育
養育料
教育法
山育
薫育
發育
傅育
鞠育
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