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股倉
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またぐら
ふりがな文庫
“
股倉
(
またぐら
)” の例文
脇差を引つこ拔いて、武士と渡り合ふのを不穩當と思つたか、右手に掴んだ
振分
(
ふりわ
)
けの荷、——それを入口を塞いだ大男の
股倉
(
またぐら
)
へパツと抛つたのです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
陰は男女に通じ用いられた語で、今ならば
股倉
(
またぐら
)
と言うくらいの意味であろう。すなわち二つの尾根のある山である。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「先生!」と彼は叫んで
股倉
(
またぐら
)
を押えた。「おしっこ、よう、ちえっちえっちえ……まかれてしまうよう!」
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
三十二銭
這入
(
はい
)
っている。白い眼は
久留米絣
(
くるめがすり
)
の上からこの蟇口を
覘
(
ねら
)
ったまま、
木綿
(
もめん
)
の
兵児帯
(
へこおび
)
を乗り越してやっと
股倉
(
またぐら
)
へ出た。股倉から下にあるものは
空脛
(
からすね
)
ばかりだ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一人、
膝頭
(
ひざがしら
)
と向う
脛
(
ずね
)
、
露出
(
むきだ
)
した間に
堆
(
うずたか
)
い、蜜柑の皮やら実まじりに、
股倉
(
またぐら
)
へ押込みながら、苦い
顔色
(
がんしょく
)
。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
この騒ぎで、駒井能登守の連台を担ぎかけた人足も、与力同心の
股倉
(
またぐら
)
へ頭を突っ込んだ人足も、みんなそれをやめてしまって、米友の方へバラバラと飛んで行きました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
女房に茶を汲んで出し、善太に賭事を教へ、金を
股倉
(
またぐら
)
へくぐらするなどの仕草は場当りなれど、本文の権太ももどりにならぬまでは
極
(
ごく
)
の
安敵
(
やすがたき
)
なれば深く咎むるにも及ばざるべし。
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
とたんに杉本は一足身体を退き子供のまじめくさった質問を避けようとした。すると元木武夫はくわっと逆上し、どがんと教師の
股倉
(
またぐら
)
めがけて殴りつけてきた。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
方寸を
逆
(
さ
)
かさまにして見ると寸方となるところに
愛嬌
(
あいきょう
)
がある。
天
(
あま
)
の
橋立
(
はしだて
)
を
股倉
(
またぐら
)
から
覗
(
のぞ
)
いて見るとまた格別な
趣
(
おもむき
)
が出る。セクスピヤも千古万古セクスピヤではつまらない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
棄て置けば
狐狸
(
こり
)
の
棲処
(
すみか
)
、さもないまでも乞食の宿、
焚火
(
たきび
)
の火
沙汰
(
ざた
)
も不用心、給金出しても人は住まず、持余しものになるのを見済まし、立腐れの柱を根こぎに、瓦屋根を踏倒して、
股倉
(
またぐら
)
へ
掻込
(
かいこ
)
む算段
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
敷居の上へ足を乗せて、こっちを向いて立った
股倉
(
またぐら
)
から、ランプの灯だけが細長く出て来る。ランプの位置がいつの
間
(
ま
)
にか低くなったと見える。長蔵さんの顔は無論よく分らない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
股
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
倉
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“股倉”で始まる語句
股倉眼鏡