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聴衆
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ききて
ふりがな文庫
“
聴衆
(
ききて
)” の例文
旧字:
聽衆
その
音
(
ね
)
といつたら美しい女の
啜
(
すゝ
)
り泣きをするやうな調子で、
聴衆
(
ききて
)
は誰一人今日までこんな美しい音楽を耳にした事はないらしかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その間も楽堂の舞台では、
拙
(
まず
)
い音楽が続けられていた。そして
聴衆
(
ききて
)
は根気よく静かに耳を傾けている。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
有島氏がこゝまで話して来ると、
聴衆
(
ききて
)
に
交
(
まじ
)
つてゐた西洋婦人は
鷦鷯
(
みそさゞへ
)
のやうに口をとがらせて「ち、ち、ち……」と鋭い音を立てた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは
伊太利
(
イタリア
)
の音楽隊で、モールをちりばめた服装から
指揮者
(
コンダクター
)
の
風姿
(
スタイル
)
から、かなり怪しげな一団であったが、「伊太利人」という吹聴のためか、
聴衆
(
ききて
)
は黒山のように集まっていた。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
成程結構な演奏ではあるが、さうかといつて、一弗六十五仙の
先刻
(
さつき
)
の
提琴
(
ヴアイオリン
)
と比べて、
音色
(
ねいろ
)
に格別の
異
(
ちが
)
ひはなかつた。それにつけても
聴衆
(
ききて
)
も思つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
「一体これまでの日本料理は、見た眼にはなかなか美しいが、味はつてみると一向うまくありませんね。」と尾崎氏は
聴衆
(
ききて
)
が少いのが物足りないやうに
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
附近
(
あたり
)
に立聴きをする神様は居ないし、幾らお説教が
拙
(
まづ
)
かつたところで、
聴衆
(
ききて
)
は耳に手をやつて、波のなかに飛び込む訳にも往かないしするから、牧師は落つき払つて
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
聴衆
(
ききて
)
かい。」外交官は
胡散
(
うさん
)
さうに
頤
(
おとがひ
)
の
囲
(
まは
)
りを撫で廻した。「
聴衆
(
ききて
)
はたつた一人だつたよ。」
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
前にも
立優
(
たちまさ
)
つた出来で、
聴衆
(
ききて
)
は唯もう夢中になつて手を
拍
(
う
)
つて驚嘆した。その
取
(
と
)
り
逆
(
のぼ
)
せた
容子
(
ようす
)
を見てゐたエルマンは、
懐中
(
ポケツト
)
からハンケチを取り出して、そつと額の汗を拭いた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
唯何か音楽が始まると、
聴衆
(
ききて
)
が一度に帽を脱いで起立をするから、そんな折に、やつと
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「さう、それは結構だつたのね。そして
聴衆
(
ききて
)
は幾人位あつたの」
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“聴衆”の意味
《名詞》
聴衆(ちょうしゅう、ちょうじゅ)
(ちょうしゅう)音楽や演説などを聴く人達。オーディエンス。
(出典:Wiktionary)
聴
常用漢字
中学
部首:⽿
17画
衆
常用漢字
小6
部首:⾎
12画
“聴”で始まる語句
聴
聴聞
聴手
聴耳
聴者
聴取
聴許
聴診器
聴入
聴惚