“聴惚”の読み方と例文
読み方割合
ききほ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
如何どうしても琴に違いないと、感心して聴惚ききほれていると、十分とたぬうちに、ジャカジャカジャンと引掻廻ひっかきまわすような音がして、其切それぎりパタリと
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「ふむ」とお島は首をかしげて聴惚ききほれていた。今まで莫迦にしていたこの男が、何か耳新しい特殊な智識を持っている悧巧りこう者のように思えて来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この閑寂で清涼な神社の境内のテントの下で蓄音機の童謡に聴惚ききほれたあの若干時間の印象が相当鮮明に記憶に浮上がってくる事であろうと思われた。
静岡地震被害見学記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)