老衰者らうすゐしや)” の例文
ほどおほきな身體からだでも卯平うへいは八十にちか老衰者らうすゐしやである。一日いちにち食料しよくれうがどれほどるかそれはれたものである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
老衰者らうすゐしやの悔や執念しふねんを悲哀の箱で胸をふさがせ
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
自分じぶん老衰者らうすゐしやであることをつたときあきらめのないすべては、もすればたがひ餘命よめい幾何いくばくもない果敢はかなさをかたうて、それが戲談じようだんいうて笑語さゞめときにさへえず反覆くりかへされて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれ例年いつになく身體からだやつれがえた。かさ/\と乾燥かんさうした肌膚はだへが一ぱん老衰者らうすゐしや通有つういうあはれさをせてるばかりでなく、そのおほきな身體からだにくおちてげつそりとかたがこけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)