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縹渺
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へうべう
ふりがな文庫
“
縹渺
(
へうべう
)” の例文
(le samourai)されどその絹の白と漆と
金
(
きん
)
とに
彩
(
いろど
)
られたる世界は、
却
(
かへ
)
つて是
縹渺
(
へうべう
)
たるパルナシアンの夢幻境のみ。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
((磁石は無いが方角は太陽の位置で分る))
私
(
わたくし
)
は
一時
(
いちじ
)
は
喫驚
(
びつくり
)
したが、よく
考
(
かんが
)
へると、これは
何
(
なに
)
も
不思議
(
ふしぎ
)
でない、
今迄
(
いまゝで
)
それと
心付
(
こゝろつ
)
かなかつたのは、
縹渺
(
へうべう
)
たる
大洋
(
たいやう
)
の
面
(
めん
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
烈々たる炎の如き感情の動くまゝに、その
短生
(
たんせい
)
を、火花の如く散らし去つた彼女の勝気な魂は、恐らく何の悔をも懐くことなく
縹渺
(
へうべう
)
として天外に飛び去つたことだらう。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
又遙かに——
縹渺
(
へうべう
)
の彼方には海上としては高過ぎ、天空としては星の光りとも見えぬ、海とも空ともつかぬあたりに天草のいさり火が吹きすさぶ
凩
(
こがらし
)
に明滅する如く微かにまたゝいてゐるのであつた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
「是は武蔵の国隅田川の渡し守にて候」と云ふ
宝生新
(
ほうしやうしん
)
氏の詞と共に、天さかる
鄙
(
ひな
)
の大川の
縹渺
(
へうべう
)
と目の前に浮び上がる所は如何にも静かに出来上がつてゐる。
金春会の「隅田川」
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
機關室
(
きくわんしつ
)
に
働
(
はたら
)
く
事
(
こと
)
も
能
(
あた
)
はず、
詮方無
(
せんかたな
)
きまゝ、
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
つ、
居
(
ゐ
)
て
見
(
み
)
つ、
艦首
(
かんしゆ
)
から
縹渺
(
へうべう
)
たる
太洋
(
たいやう
)
の
波濤
(
なみ
)
を
眺
(
なが
)
めたり、「ブルワーク」の
邊
(
ほとり
)
から
縱帆架
(
ガーフ
)
に
飜
(
ひるがへ
)
る
帝國軍艦旗
(
ていこくぐんかんき
)
を
仰
(
あほ
)
いで
見
(
み
)
たり、
機關砲
(
きくわんほう
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
たり
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
“縹渺”の意味
《形容動詞》
対象がかすかではっきりしないさま。
見渡すかぎり広々しているさま。
(出典:Wiktionary)
縹
漢検1級
部首:⽷
17画
渺
漢検1級
部首:⽔
12画
“縹渺”で始まる語句
縹渺性
縹渺有趣