綺羅星きらぼし)” の例文
五、六人の大官が、綺羅星きらぼしかためたように美々しい一団となって通りかかった。加納遠江守はすぐわかる。眼じりに有名な黒字ほくろがある。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それには実に各界名士の署名が綺羅星きらぼしの如く並んでいて、よくもかく万遍なく天路歴程てんろれきていが出来たものだと二人とも魂消たまげてしまった。
西隣塾記 (新字新仮名) / 小山清(著)
しかし、招かれた客は一人も欠席せず、所定の時間には、所謂いわゆる綺羅星きらぼしの如く着飾った婦人連と、夜会服に身を固めた男子連が、雲の如くに参集した。
外務大臣の死 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「おかげでこのとおり、山寨さんさいには九名の豪傑をあらたに加え、いちばい綺羅星きらぼしの陣を強固にいたしました。すべてこれは宋先生のご恩恵と申すもので」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
苗木の城内の天主の間には浪人組の猛者もさを始め、城内の有名な勇士の面々綺羅星きらぼしの如く居流れていた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平生に倍した人数が法服いかめしく、綺羅星きらぼしのようで……そのほか十二人の陪審員、参考人として列席した博士教授連、又は各地から特別に傍聴に来た法官連、ハルスカイン
霊感! (新字新仮名) / 夢野久作(著)
十九世紀から二十世紀の始めにかけて、世界のプリマドンナは綺羅星きらぼしのように現われましたが、そのうち本当に偉かった大プリマドンナ中の大プリマドンナは、二人でした。
お蝶夫人 (新字新仮名) / 三浦環(著)
さてその前後左右に綺羅星きらぼしの如くに居並んでいる人々は、遠目の事ゆえ善くは見えぬが、春陽堂の新小説の宙外、日就社の読売新聞の抱月などという際立った性格のある頭が
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
綺羅星きらぼしの空高くいる牛——金牛星
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
「なんの、武者所の簿れば、まだまだ鎌倉山の将は綺羅星きらぼしだ。わけて、当然出陣せねばならん者が、軍勢発向もよそに、いまだに顔すら見せおらん」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
綺羅星きらぼしの如く並んでいる。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
主賓の徳川殿以下、浜松の家臣と、安土衆の面々とが、綺羅星きらぼしといながれている様も思いやらるる。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ために、賀名生の山中は、にわかに聚落じゅらくをなして、そこらの辻堂やしずの小屋まで幔幕まんまくを引き、はや一統の朝廷と群臣の綺羅星きらぼしはここに在りとばかりな盛観であったという。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
錦繍きんしゅうとばりを垂れ、近侍小姓は綺羅星きらぼしと居並び、紅白のだんだら幕をめぐらしたおしもには
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あとは、左右の障子とふすまに添って、村の煙火師ばかり、老若およそ七十余名もいようか、黒々と居流いながれたありさま、鎌倉山のごとく綺羅星きらぼしではないが、なかなか物々しい評定ぶりである。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
偉材が綺羅星きらぼしのごとく揃った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)