つゞれ)” の例文
落葉おちばし尽した木立こだちの間から石と泥とを混ぜた家家いへいへ白茶しらちやけた壁に真赤まつか蔦紅葉つたもみぢつて居るのはつゞれにしきとでも月並ながら云ひたい景色であつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
押戴おしいたゞ行燈あんどう指翳さしかざし一目見るより打ち驚き之はさきつ頃私しが道におとせし品にして母の紀念かたみくしなれば家財道具は聊かの物も殘さず賣盡し身にまとふべき衣類いるゐさへ今はつゞれもあらざれども此品計りは我が母のおん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)