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結立
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ゆいたて
ふりがな文庫
“
結立
(
ゆいたて
)” の例文
婦人
(
おんな
)
は
右手
(
めて
)
を
差伸
(
さしのば
)
して、
結立
(
ゆいたて
)
の
一筋
(
ひとすじ
)
も乱れない、お辻の高島田を
無手
(
むず
)
と
掴
(
つか
)
んで、づツと立つた。手荒さ、
烈
(
はげ
)
しさ。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
吹き荒れる風と雨とに、
結立
(
ゆいたて
)
の
髷
(
まげ
)
にかけた銀糸の乱れるのが、いたいたしく見えたので、わたくしは傘をさし出して、「おれは洋服だからかまわない。」
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
終
(
しまい
)
には絹
手帕
(
ハンケチ
)
も鼻を
拭
(
か
)
んで捨て、香水は惜気もなく
御紅閨
(
おねま
)
に振掛け、気に入らぬ髪は
結立
(
ゆいたて
)
を
掻乱
(
かきこわ
)
して二度も三度も結わせ、夜食好みをなさるようになって、
糠味噌
(
ぬかみそ
)
の新漬に
花鰹
(
はながつお
)
をかけさせ
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
なかなかいい
容貌
(
きりょう
)
である。鼻筋の通った円顔は
白粉焼
(
おしろいやけ
)
がしているが、
結立
(
ゆいたて
)
の島田の
生際
(
はえぎわ
)
もまだ
抜上
(
ぬけあが
)
ってはいない。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
駒下駄のちょこちょこあるきに、石段下、その呉羽の神の鳥居の蔭から、
桃割
(
ももわれ
)
ぬれた
結立
(
ゆいたて
)
で、
緋鹿子
(
ひがのこ
)
の
角絞
(
つのしぼ
)
り。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
と
呟
(
つぶや
)
きつつ縁側に
出
(
い
)
でたるは、
年紀
(
とし
)
の頃十六七、色白の丸ぽちゃにて可愛らしき
女
(
むすめ
)
、髪は
結立
(
ゆいたて
)
の
銀杏返
(
いちょうがえし
)
、綿銘仙の綿入を着て
唐縮緬
(
とうちりめん
)
の帯御太鼓
結
(
むすび
)
、小間使といふ風なり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
結
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“結”で始まる語句
結
結構
結婚
結局
結果
結城
結納
結目
結綿
結縁