索引さくいん)” の例文
近習きんじゅの者は、皆この鬢をむしるのを、彼の逆上した索引さくいんにした。そう云う時には、互にいましめ合って、誰も彼の側へ近づくものがない。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
索引さくいんは五十おんわかちたり、読者どくしゃ便利べんり正式せいしき仮名かなによらず、オとヲ、イとヰ、のるいちかきものにれたり
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
然し時によると、それが尤も機嫌のわるい索引さくいんになる事があつた。さう云ふときは、いかに神経のふつくら出来あがつたあにでも、成るべく近寄ちかよらない事にしてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
糸崎行いとざきゆき——おはづかしいが、わたし方角はうがくわからない。たなほこりはらひながら、地名辭典ちめいじてん索引さくいんると、糸崎いとざきふのが越前國ゑちぜんのくに備前國びぜんのくにとにしよある。わたし東西とうざい、いや西北せいほくまよつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第三の幽霊 索引さくいんを見給へ。索引を。××××と云ふ所を引けばいのだ。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)