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糞尿
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ふんにょう
ふりがな文庫
“
糞尿
(
ふんにょう
)” の例文
今日から申しますると、余程
奇態
(
きたい
)
な事でありますが、昔は実際そうでありました。したがって農業は神聖で、農民の肥料とする
糞尿
(
ふんにょう
)
は穢れとせぬ。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
一つの法則を出ない、即ち、田を河の如くに渡るとか、
糞尿
(
ふんにょう
)
のために入って
風呂
(
ふろ
)
をつかうような事をするとか、馬糞を
牡丹餅
(
ぼたもち
)
として食うとか、皆同一規である。
ばけものばなし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
そういう
兼吉
(
かねきち
)
は、もはや
飼
(
か
)
い
葉
(
ば
)
をすませて、おぼれ
板
(
いた
)
の
掃除
(
そうじ
)
にかかったのだ。うまやぼうきに力を入れ、
糞尿
(
ふんにょう
)
相混
(
あいこん
)
じた
汚物
(
おぶつ
)
を下へ下へとはきおろしてきたのである。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
叱られた百姓は黙って其
糞尿
(
ふんにょう
)
を
掃除
(
そうじ
)
して、それを肥料に穀物蔬菜を作っては、また東京に持って往って東京人を養う。不浄を以て浄を作り、廃物を以て生命を造る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかるにシーザーの下にあるローマの元老院においては、発する
糞尿
(
ふんにょう
)
の匂いも
鷲
(
わし
)
の巣のそれである。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
これらの疲労した川筋を通して一年に七千四百万貫の
塵芥
(
じんかい
)
を吹き、六十万
石
(
ごく
)
の
糞尿
(
ふんにょう
)
を
棄
(
す
)
て、さらに八億立方
尺
(
しゃく
)
にも余る汚水を吐き出す此の巨大な怪獣の
皮腺
(
ひせん
)
から
漏
(
も
)
れる
垢脂
(
こうし
)
に過ぎないのだから。
水に沈むロメオとユリヤ
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
糞尿
(
ふんにょう
)
を分析すれば飲食した物の何であったかはこれを知ることが出来るが、食った
刹那
(
せつな
)
の香味に至っては、これを語って人をして
垂涎
(
すいぜん
)
三尺たらしむるには、優れたる弁舌が入用になるわけである。
十六、七のころ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ただ
波羅門
(
ばらもん
)
や
刹帝利
(
せっていり
)
だけは便器の中に用を足し、特に足を労することをしない。しかしこの便器の中の
糞尿
(
ふんにょう
)
もどうにか
始末
(
しまつ
)
をつけなければならぬ。その始末をつけるのが
除糞人
(
じょふんにん
)
と呼ばれる人々である。
尼提
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
山や水は
糞尿
(
ふんにょう
)
であり、風は呼吸であり、火はその体温であり、一切の生物無生物は彼の生むところと説く、シバ神崇拝に類して精力を愛するこの原始の宗教が、コーランを左手に剣を右手に、そして
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
兵器廠
(
へいきしょう
)
の床の
糞尿
(
ふんにょう
)
のうえに
原爆詩集
(新字新仮名)
/
峠三吉
(著)
下には半ば
膝
(
ひざ
)
を没する泥があり、
糞尿
(
ふんにょう
)
は足の上に流れ、疲労のために骨も裂け、腰と膝とは力を失い、休息するためには両手で鎖にぶら下がり、立ったままでなければ眠ることもできず
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
園芸を好んだので、
糞尿
(
ふんにょう
)
を格別忌むでも
賤
(
いやし
)
むでもなかったが、不浄取りの人達を糞尿をとってもらう以外没交渉の
輩
(
やから
)
として居た。来て其人達の中に住めば、
此処
(
ここ
)
も
嬉
(
うれ
)
し
哀
(
かな
)
しい人生である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
台風ではなくて硫化水素であり、大洋ではなくて
糞尿
(
ふんにょう
)
である。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
糞尿
(
ふんにょう
)
にも道あり、蛇も
菩提
(
ぼだい
)
に導く善智識であらねばならぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
糞
漢検準1級
部首:⽶
17画
尿
常用漢字
中学
部首:⼫
7画
“糞尿”で始まる語句
糞尿柄杓
糞尿汲取事業