くわん)” の例文
そればかりか、かたせなも、こしまはりも、心安こゝろやすいて、如何いかにもらく調子てうしれてゐることいた。かれはたゞ仰向あふむいて天井てんじやうからさがつてゐる瓦斯ガスくわんながめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その頃流行つた風俗ですが、一くわんの尺八を腰に差して、寛濶くわんたつな懷ろ手、六法を踏む恰好で歩くのは花道から出て來る花川戸の助六や御所の五郎藏と通ふものがあります。
銭形平次捕物控:124 唖娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)