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筒口
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つつぐち
ふりがな文庫
“
筒口
(
つつぐち
)” の例文
八弥は、
畸形
(
きけい
)
な
爬虫類
(
はちゅうるい
)
のように、
肘
(
ひじ
)
、膝、肩までを地に
摺
(
す
)
りつけたまま、眼だけを相手の
筒口
(
つつぐち
)
に向けて、ジリジリと前へ迫り出した。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて
引金
(
ひきがね
)
を引きたれども火
移
(
うつ
)
らず。
胸騒
(
むなさわ
)
ぎして銃を検せしに、
筒口
(
つつぐち
)
より
手元
(
てもと
)
のところまでいつのまにかことごとく土をつめてありたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
二十面相は、にくにくしく言いながら、明智の背中にピストルの
筒口
(
つつぐち
)
をおしつけて、洞くつの奥へ奥へと、連れていくのです。
妖怪博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
新九郎はスマトラ人の
水主
(
かこ
)
を呼びあつめると、前敷の大筒のところへ走って行って
弾丸
(
たま
)
込めにかかったが、生憎と、弾丸が
筒口
(
つつぐち
)
より大きくて、この急場には間にあわなかった。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
青い煙が、まだ
筒口
(
つつぐち
)
から細く出ていました。
ごん狐
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
かれの
狡獪
(
こうかい
)
なそら
脅
(
おど
)
しは
効果
(
こうか
)
がなかった。
火縄
(
ひなわ
)
はいまの
格闘
(
かくとう
)
でふみけされてしまったので、
筒口
(
つつぐち
)
をむけてもにわかの役には立たないのである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
村瀬という男は、そういって、ピストルの
筒口
(
つつぐち
)
をあげたりさげたりしながら、主人の顔を見つめるのでした。
鉄塔の怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あとから警視庁鑑識課の医者がしらべましたが、南田は小型ピストルの
筒口
(
つつぐち
)
を口の中へ入れて発射したのです。後頭部が割れて、ひどい状態になっていました。
妻に失恋した男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
はやくもそれと知った
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
が、
望楼
(
ぼうろう
)
のうえから
南蛮銃
(
なんばんじゅう
)
の
筒口
(
つつぐち
)
をそろえて、はげしく
火蓋
(
ひぶた
)
を切ってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明智の右手に持ったピストルの
筒口
(
つつぐち
)
が、その虎の背中にグッとくいいっています。いうことを聞かねば、いつでもピストルの引きがねをひくぞというわけです。
虎の牙
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その上から、
銀象嵌
(
ぎんぞうがん
)
の
短銃
(
たんづつ
)
をとってかまえ、いましも、三度目の
筒口
(
つつぐち
)
に、伊那丸の姿をねらっていたが、龍太郎が近づいたのをみると、オオ! とそのつつ先を向けかえた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ピストルの
筒口
(
つつぐち
)
から、パッと火を吹きました。発射したのです。しかし、ごうごうと走る汽車の音にけされて、ピストルの音は、ほとんど、聞こえないくらいです。
黄金豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「ここへ並んで、
筒口
(
つつぐち
)
を揃えろ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
カーテンのあわせめから、ピストルの
筒口
(
つつぐち
)
が、こちらをにらんでいるのです。
おれは二十面相だ
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
黒い運転手が、片言のような、あやしげな日本語でどなったかと思うと、ふたりのインド人の手が、ニューッとうしろにのびて、二丁のピストルの
筒口
(
つつぐち
)
が、小林君と緑ちゃんの胸をねらいました。
少年探偵団
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
自動車ポンプのエンジンが動きだし、消防署員はホースの
筒口
(
つつぐち
)
をとって身がまえました。ホースからはおそろしい音をたてて、水がほとばしり、はるかの空の怪物は真っ白な水しぶきに包まれました。
青銅の魔人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
筒
常用漢字
中学
部首:⽵
12画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“筒”で始まる語句
筒袖
筒
筒抜
筒服
筒井順慶
筒井
筒先
筒井筒
筒木
筒持