トップ
>
秦皮
>
とねりこ
ふりがな文庫
“
秦皮
(
とねりこ
)” の例文
見ると、ほそ長い
秦皮
(
とねりこ
)
の枝が二つに割れていた、そして彼の足がそこに横になって眠っていた人の真しろい手を踏んでいたのだった。
約束
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
(彼は眼は悪くないのであるが、いつ頃からか折々
伊達
(
だて
)
に色眼鏡を掛ける癖が附いていた)あの
秦皮
(
とねりこ
)
のステッキを
衝
(
つ
)
いた姿がぬっと現れた。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それは
秦皮
(
とねりこ
)
の木であったが、それと向き合って一本の栗の木が立っていた。皮がはがれたために弱っていて、
繃帯
(
ほうたい
)
として亜鉛の板が打ち付けてあった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ヘイ、お富士山はあれ、あっこに
秦皮
(
とねりこ
)
の森があります。ちょうどあっこらにめいます。ヘイ。こっから東の方角でございます。ヘイ。あの
村木立
(
むらこだ
)
ちでございます。
河口湖
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
オリヴィエは
秦皮
(
とねりこ
)
の枝の間に登って、不思議な話を読みながら日を過ごした。愉快な神話、ムゼウスやオールノア夫人の小話、千一夜物語、旅行小説、などを読んだ。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
秦皮
(
とねりこ
)
のステッキで其枝を掻きよせて巣の中を覗いたら、まだ羽も生えてない、目ばかり大きな、茶色の雛が四五羽、無氣味にうじようじよしてゐた。親鳥はもう逃げた跡。
雨後
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
田は植ゑてうつりよろしき
秦皮
(
とねりこ
)
の若葉も過ぎぬ
五四本
(
いつよもと
)
づつ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
山より取りし
秦皮
(
とねりこ
)
の大槍、——こなた
左右
(
さう
)
の手に
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
秦皮
(
とねりこ
)
の、
眞砂
(
まさご
)
、いさごの、森の小路よ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
幸子が降りて行くと、もう奥畑は玄関の土間に立って、
金
(
きん
)
の金具の光っている
秦皮
(
とねりこ
)
のステッキを
衝
(
つ
)
いていた。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
数本の松の木にちょっと一もと
芒
(
すすき
)
をあしらっただけの、
生籬
(
いけがき
)
もなんにもない、
瀟洒
(
しょうしゃ
)
な庭を少し恨めしそうに見やりながら、いつまでも
秦皮
(
とねりこ
)
のステッキで砂を掘じっていた。
朴の咲く頃
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
しかし彼女がその話を通して見た面影は、
秦皮
(
とねりこ
)
の木陰に居眠ってる老夫婦のそれではなかった。友の内気な熱烈な夢想であった。そして彼女の心は愛でいっぱいになった。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
田は植ゑてうつりよろしき
秦皮
(
とねりこ
)
の若葉も過ぎぬ
五四本
(
いつよもと
)
づつ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
秦皮
(
とねりこ
)
の、
真砂
(
まさご
)
、いさごの、森の小路よ
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
パナマ帽に
瀟洒
(
しょうしゃ
)
とした紺背広を着、
秦皮
(
とねりこ
)
のステッキにコンタックスを提げて、こんな時にこんな風をして
擲
(
なぐ
)
られはしまいかと思うような身なりをしていたそうであるが
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼が着いたとき、彼らは庭に出ていて、夏の暑い午後を、丸
傘
(
がさ
)
のように茂った
秦皮
(
とねりこ
)
の下でうつらうつらしていた。手を取り合って青葉
棚
(
だな
)
の下で居眠ってるベックリンの老夫婦に似ていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
縺
(
もつ
)
れてやまぬ
秦皮
(
とねりこ
)
の
陰影
(
いんえい
)
にこそひそみしか。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
秦皮
(
とねりこ
)
や、
赤楊
(
はんのき
)
の
路
(
みち
)
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
かくてなほ声もなき
秦皮
(
とねりこ
)
よ、
秘
(
ひそ
)
に火ともり
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
秦皮
(
とねりこ
)
や、
赤楊
(
はんのき
)
の
路
(
みち
)
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
それか、
実
(
げ
)
に声もなき
秦皮
(
とねりこ
)
の森のひまより
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
秦
漢検準1級
部首:⽲
10画
皮
常用漢字
小3
部首:⽪
5画
“秦皮”で始まる語句
秦皮樹