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秘鑰
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ひやく
ふりがな文庫
“
秘鑰
(
ひやく
)” の例文
宇宙を説明する
秘鑰
(
ひやく
)
はこの自己にあるのである。物体に由りて精神を説明しようとするのはその本末を
顛倒
(
てんとう
)
した者といわねばならぬ。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
恋愛は人世の
秘鑰
(
ひやく
)
なり、恋愛ありて後人世あり、恋愛を
抽
(
ぬ
)
き去りたらむには人生何の色味かあらむ、然るに尤も多く人世を観じ
厭世詩家と女性
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
あの門——つまりこの事件に凄惨な光を注ぎ入れている、あの鍵孔のある門の事ですわ。そこに、黒死館永生の
秘鑰
(
ひやく
)
があるのです
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ある特点に砲兵を集中させることに、彼の勝利の
秘鑰
(
ひやく
)
はあった。彼は敵将の戦略をあたかも一つの
要塞
(
ようさい
)
のごとく取り扱い、そのすき間から攻撃した。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
蒲衣子
(
ほいし
)
の
庵室
(
あんしつ
)
は、変わった道場である。
僅
(
わず
)
か四、五人しか弟子はいないが、彼らはいずれも師の歩みに
倣
(
なろ
)
うて、自然の
秘鑰
(
ひやく
)
を探究する者どもであった。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
鎧
(
よろい
)
の
隙間
(
すきま
)
を、魂の
秘鑰
(
ひやく
)
たる欠点弱点を、たちまちのうちに見出し、
秘訣
(
ひけつ
)
を握ることを、よく知っていた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
恋愛は人生の
秘鑰
(
ひやく
)
なり、恋愛ありて後、人世あり。恋愛を
抽
(
ぬ
)
き去りたらむには人生何の
色味
(
しきみ
)
かあらむ。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
我々の欲望或は要求は
啻
(
ただ
)
にかくの如き説明しうべからざる直接経験の事実であるのみならず、かえって我々がこれに由って実在の真意を理解する
秘鑰
(
ひやく
)
である。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
彼は悲しめり、然り、彼は迷想の極にのぼりて、今は自殺の外に、万事を決し疑惑を解くものあらずなりぬ。然れども伯は
誾冥
(
ぎんめい
)
なる迷想の
中
(
うち
)
より、生活の一
秘鑰
(
ひやく
)
を覚りはじめたり。
トルストイ伯
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ねえ
如何
(
どう
)
、それがもしかしたら、この事件永生の
秘鑰
(
ひやく
)
かも知れませんわ。
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
凡
(
すべ
)
て神聖なる宗教的思想の統御に帰する事あらば、恋愛のことを談ぜざるもよし、
苟
(
いやし
)
くも恋愛が人生の一大
秘鑰
(
ひやく
)
たる以上は、其素性の高潔なるところより出で、
其
(
その
)
成行の自然に近かるべきは
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
“秘鑰”の意味
《名詞》
秘密のかぎ。
秘密や謎を解くためのヒント。
(出典:Wiktionary)
秘
常用漢字
小6
部首:⽲
10画
鑰
漢検1級
部首:⾦
25画
“秘”で始まる語句
秘
秘密
秘訣
秘蔵
秘奥
秘事
秘伝
秘帖
秘術
秘法