禁足きんそく)” の例文
うん、三万円ばかりさ。——こんな可笑おかしなことはないというので、記事は禁止で、われわれ行員が全部疑われていたんだ。僕もお蔭で禁足きんそく
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「三井の通い番頭とかいう隣家の夫婦者は、無論、禁足きんそくを申しつけてありましょうな」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其女そのをんなさいはたらき、勉強べんきやう出来できすぐれて悧巧りこうたちであつたが、或時あるとき脊負揚しよいあげのなかゝら脱落ぬけおちたをとこふみで、其保護者そのほごしや親類しんるゐ細君さいくんかんづかれ、一学校がくかうめられて、うち禁足きんそくされてゐたが
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
この日からみだりに戸外へ出ることは禁じられ、ことに湖畔こはんの広場へは、絶対に禁足きんそくが守られた。それはまるで冬ごもりのときのように、洞穴深くかくれて、不安の日を送りむかえるのだった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
感電事件に居合せた浴客の男達も、陽吉の手当している間に、警官に堅く禁足きんそくを命ぜられていた。後から飛び込んで来た近所の連中や通行人さえ、みんな留め置かれている。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「よし、直ぐゆく。乗客は禁足きんそくしといたろうな」
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「よォし、では乗客を禁足きんそくしとくんだぞ」
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)