神妙しんめう)” の例文
三月さんぐわつのはじめ、御近所ごきんじよのお醫師いしやまゐつて、つゝましく、しをらしく、たゞあま見榮みばえのせぬをとこうでをあらはにして、神妙しんめう種痘しゆとうませ
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其方儀先年の恩義を忘れず文右衞門へ金子きんす返報へんぱう致し候志操こゝろざし神妙しんめうに思し召れ御褒美として青差五貫文下し置る有難く存ずべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
周三は垂頭うつむき加減で、默ツて、神妙しんめうに聞いてゐたが、突如だしぬけに、「だが、其の贅澤ぜいたくを行ツてゐた時分と、今と、何方が氣樂だと思ひます。」とぶしつけにたづねる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
其の弟子八五成光なりみつなるもの、興義が八六神妙しんめうをつたへて八七時に名あり。八八閑院の殿との八九障子しやうじにはとりゑがきしに、生けるとりこの絵を見てたるよしを、九〇古き物がたりにせたり。
「へエ——、本當に縛つて構ひませんか。やい女、神妙しんめうにせいツ」
仰付られしが一同とも神妙しんめうに致し居る樣申付くべしとの言葉に三人は平伏へいふくして御意の趣き委細ゐさい承知仕れりまことに月に浮雲うきくもさはり花に暴風ばうふううれひ天下の御爲忠義を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「野郎ツ、神妙しんめうにしやがれツ」
其方共儀新藤市之丞外萬事世話せわ致し候段神妙しんめうおぼめされ御褒美として白銀十枚ヅツ下し置る有難く存ずべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
神妙しんめうにせい、お辰」
神妙しんめうにせい」