石上いそのかみ)” の例文
五番ごばんめの石上いそのかみ中納言ちゆうなごんつばめ子安貝こやすがひるのに苦心くしんして、いろ/\とひと相談そうだんしてのち、ある下役したやくをとこすゝめにつくことにしました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
と申しました。この大刀の名はサジフツの神、またの名はミカフツの神、またの名はフツノミタマと言います。今石上いそのかみ神宮にあります。
天皇は大和やまと石上いそのかみ広高宮ひろたかのみやへお移りになり、皇后には雄略天皇ゆうりゃくてんのうのお子さまの春日大郎女かすがのおおいらつめとおっしゃる方をお立てになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
石上いそのかみ麻呂や藤原不比等らが現れるまでの臣下の大臣の空白時代に当っていて、彼が右大臣の時も左大臣の時も臣下唯一の大臣、最高の重臣だった。
天平勝宝五年正月四日、石上いそのかみ朝臣宅嗣やかつぐの家で祝宴のあった時、大膳大夫道祖王ふなとのおおきみが此歌を作った。初句、「あらたしき」で安良多之アラタシの仮名書の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
井上通泰氏が小出氏とお心安かったのは、嗜好しこうが同じだったからかも知れません。井上氏も棒をお遣いになって、その御秘蔵の棒に石上いそのかみという名を附けられたと聞きました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
石上いそのかみふりにし妹が園の梅見れどもあかず妹が園の梅
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
天皇はその女の言うとおりになすって、ご無事に大和やまとへおはいりになり、石上いそのかみ神宮じんぐうへお着きになって、仮にそこへおとどまりになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
大伴おほとも大納言だいなごんにはたつくびについてゐる五色ごしきたま石上いそのかみ中納言ちゆうなごんにはつばめのもつてゐる子安貝こやすがひひとつといふのであります。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
石上いそのかみ卿の、「ここにして家やもいづく白雲の棚引く山を越えて来にけり」(巻三・二八七)の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
また鳥取ととり河上かわかみの宮においでになつて大刀一千ふりをお作りになつて、これを石上いそのかみ神宮じんぐうにおおさめなさいました。そこでその宮においでになつて河上部をお定めになりました。
穴穂王あなほのみこは、おあにいさまの軽皇子かるのおうじを島流しにおしになった後、第二十代の安康天皇あんこうてんのうとしてお立ちになり、大和やまと石上いそのかみ穴穂宮あなほのみやへおひき移りになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)