眞摯まじめ)” の例文
新字:真摯
眞摯まじめな時は二十六七にも、もつと上にも見える渠の眼、(それを孝子は、寫眞版などで見た奈勃翁ナポレオンの眼に肖たと思つてゐた。)
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は、彼女が困惑と羞恥しうちで色を失ふだらうと豫期してゐたが、驚いたことには、泣きもしなければ、顏を赧らめもしなかつた。眞摯まじめではあつたが、落ちついて立つてゐた。
ふのは、たゞたんどもたちのためにとばかりではく、わたしは此等これらのはなしのなか人生じんせい社會しやくわいおよびその運命うんめい生活せいくわつくわんする諸問題しよもんだい眞摯まじめにとりあつかつてみたからであります。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
酸漿ほほづき眞摯まじめはら
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
『も少し眞摯まじめに考へて見ませう……若しあの際、彼處あそこに居たのが貴女でなくて別の人だつたらですね、僕は同じことをるにしても、もつと違つた心持でつたに違ひない。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私には眞摯まじめな、しつかりした本は讀みこなすことも、理解することも未だ出來なかつた。