病的びょうてき)” の例文
読書どくしょかれ病的びょうてき習慣しゅうかんで、んでもおよれたところものは、それがよし去年きょねん古新聞ふるしんぶんであろうが、こよみであろうが、一ようえたるもののように、きっとってるのである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
この考えはたしかに病的びょうてきだが、一つのなぐさめでもあった。足弱の子供をあやなすため、焼け残りの古本屋で、角力すもうの古雑誌を買ってあてがう。顧みて支那の戦国せんごく時の流亡人りゅうぼうじんを連想した。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
さなきだにかれ憔悴しょうすいしたかお不幸ふこうなる内心ないしん煩悶はんもんと、長日月ちょうじつげつ恐怖きょうふとにて、苛責さいなまれいたこころを、かがみうつしたようにあらわしているのに。そのひろ骨張ほねばったかおうごきは、如何いかにもへん病的びょうてきであって。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)