瓜核顔うりざねがお)” の例文
瓜核顔うりざねがおの、鼻の準縄じんじょうな、目の柔和やさしい、心ばかり面窶おもやつれがして、黒髪の多いのも、世帯を知ったようで奥床しい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もっとも、十八九はたちごろから、時々見た顔ですから、男弟子に向っては、澄ましていたのかも知れません。薄手で寂しい、眉のりんとした瓜核顔うりざねがおの……標致きりょう
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
瓜核顔うりざねがおで品のいい、何とも云えないほど口許くちもとやさしい、目のすずしい、眉の美しい、十八九の振袖ふりそでが、すそいて、嫋娜すらりと中腰に立って、左の手を膝の処へ置いて、右の手で
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
莞爾にっこりして、急に上げた瓜核顔うりざねがおが、差向いに軽く仰向あおむいた、眉の和やかさを見た目には、擬宝珠が花の雲に乗り、霞がほんのりと縁を包んで、欄干が遠く見えてぼうとなった。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
きっと向いて、境を見た瓜核顔うりざねがおは、ぶちがふっくりと、鼻筋通って、色の白さはすごいよう。——気のもった優しいまゆの両方を、懐紙かみでひたと隠して、大きなひとみでじっと
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
車を彩る青葉の緑、鼈甲べっこう中指なかざしに影が透く艶やかな円髷まるまげで、誰にも似ない瓜核顔うりざねがお、気高くさっと乗出した処は、きりりとして、しかも優しく、なまめかず温柔おっとりして、河野一族第一の品。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
櫛巻のふッさりとした、瓜核顔うりざねがおの鼻筋が通って、眉の恍惚うっとりした、優しいのが、中形の浴衣に黒繻子くろじゅすの帯をして、片手、その格子に掛けた、二の腕透いて雪をあざむく、下緊したじめの浅葱に挟んで
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)