理髮師とこや)” の例文
新字:理髪師
理髮師とこやの源助さんが四年振で來たといふ噂が、何か重大な事件でも起つた樣に、口から口に傳へられて、其午後のうちに村中に響き渡つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
患者等くわんじやら理髮師とこやほかには、たゞニキタ一人ひとりれよりほかにはたれふことも、たれることもかなはぬ運命うんめいさだめられてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あるいは理髮師とこや裁縫師したてやの軒に artist の招牌かんばんをかけ
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
それが、九歳か十歳の時、大地主の白井樣が盛岡から理髮師とこやを一人お呼びなさるといふ噂が恰も今度源助さんが四年振で來たといふ噂の如く、異樣な驚愕おどろきを以て村中に傳つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
たゞ二ヶげつに一け、理髮師とこやのセミヨン、ラザリチばかこゝる、其男そのをとこいつつてニコ/\しながらつてて、ニキタに手傳てつだはせてかみる、かれえると患者等くわんじやら囂々がや/\つてさわす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
理髮師とこやの源助さんは、四年振で突然村に來て、七日の間到る所に驩待くわんたいされた。そして七日の間東京の繁華な話を繰返した。村の人達は異樣な印象を享けて一同多少づつ羨望の情を起した。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)