犬殺いぬころ)” の例文
もし、このまま犬殺いぬころしにわたしてしまったら、ジャックはどんなに自分じぶんをうらむかしれない。よし、たすけてやろうと、決心けっしんしました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うちの飼犬が知らぬ何処どこへか行ってしまった。犬殺いぬころしにやられたのだとも云うし、又、いい犬だったから、人が盗んで連れて行ったのだとも、議論はまちまちであった。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
みんなが、そううたがうのも、無理むりはありません。むかしから、犬殺いぬころしにつれられていって、かえってきたいぬは、めったにないからです。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
平常ふだん、かわいがっていながら、ペスが、犬殺いぬころしに、つれられていったとっても、もらいにいってやらぬというのは、なんたる不人情ふにんじょうなことだろう。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
あちらで、しきりにいぬとおぼえをするこえがしていました。犬殺いぬころしがちかづいてきたのを警戒けいかいして、仲間なかまらせているのです。幸吉こうきちは、すぐに裏手うらてへまわりました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ジャックのやつ、うまく物置ものおきれてめてしまった。いまに犬殺いぬころしがきたらわたしてくれるのだ。」といいました。幸吉こうきちは、これをきくと、どきっとしました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんとうに、そうだな。すぐにわかったら、もらいにいってやればいいに、印刷屋いんさつやでも、うちでも、まただれも、犬殺いぬころしにつれられていったぎり、もらいにいってやらなかったのはわるいとおもう。」
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)