犢牛こうし)” の例文
「ははあ、毎朝暗いうちから、山荘の裏のほうで、犢牛こうしがうなるような声がしていると思うたら、おまえたちか」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
只一つの心当りにしている客機かくざん(宿屋)をやっと見つけ出すとその院内なかへずっと進んだ、すると院内にごろごろしていた犢牛こうしのような野良犬が一番に吠えながら私をとりまく
怪談 (新字新仮名) / 平山蘆江(著)
このしまは、とほくからのぞむと、あだか犢牛こうしよこたはつてやうかたちで、その面積めんせき餘程よほどひろやうだ。
われは秣草まぐさをうんと喰らつた犢牛こうしのやうに肥え太つてけつかる
稻妻いなづまといつて、櫻木大佐さくらぎたいさ秘藏ひぞういぬよしかたち犢牛こうしほど巨大おほきく、眞黒まつくろな、のキリヽと卷上まきあがつた、非常ひじやうたくましきいぬで、それがひど日出雄少年ひでをせうねんつて、始終しじゆう稻妻いなづまや/\。』と