無情なさけな)” の例文
おそらくわたくし想像さうぞうあやまるまい、じつてんわざはひ人間にんげんちからおよところではないが、今更いまさらかゝ災難さいなんふとは、じつ無情なさけな次第しだいです。
こは父君存生ぞんしょうの頃よりつねに二、三百の金はかしおきたる人なる上、しかも商法手広く表をうる人にさへあれば、はじめてのこととて無情なさけなくはよもとかゝりしなり。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
段右衞門に申きけよと有ければお文ははつ平伏へいふくなしやがて段右衞門に向ひ貴殿おまへをつと三五郎とは兄弟きやうだい同樣どうやうにして何事によらず善惡共に相談相手なれば其方そなたの惡事もかくしてやりなにかにつけ夫は心配して居る程のことなるに如何いかなる遺恨ゐこんが有て無情なさけなくも夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)