激流げきりゅう)” の例文
けわしいがけ中腹ちゅうふくを走っている列車は、それと同時どうじすうしゃくの下にいわをかんでいる激流げきりゅうに、墜落ついらくするよりほかはない。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
けれども、流れが段と段との間のところにきますと、とうとうと流れ落ちます。そのため、あわ立つ激流げきりゅうになるので、水車やいろんな機械きかいを動かす力をもつようになるのです。
ブルジョアに隷属れいぞくするかれらが、よどんだぬまなかにつながれた材木ざいもくであり、しばったなわもろとも、いつかくさ運命うんめいにあるなら、かれは、さながら激流げきりゅう彼方かなたきし此方こなた岩角いわかど衝突しょうとつしながら
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
おまけに前夜降雨があって、二の股川の水嵩みずかさがにわかにえ、丸木橋が落ちたりくずれかかったりしていて、激流げきりゅう逆捲さかまく岩の上を飛び飛びに、時には四つ這いに這わないと越えることが出来ない。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)