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澆季
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ぎょうき
ふりがな文庫
“
澆季
(
ぎょうき
)” の例文
近代は
澆季
(
ぎょうき
)
なりと時の人が嘆いたあの戦慄すべき保元平治時代よりもまだまだ今日の芸術界の一部は浅ましい。堕落しきってるような気がする。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
これ全くサンチアゴ大尊者の霊験、世は
澆季
(
ぎょうき
)
に及ぶといえどもと、お定まりの文句で衆人驚嘆せざるなし。所の監督食事中この報に接し、更に信ぜず。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
世は
澆季
(
ぎょうき
)
なりとは昔より今までつねに人の言うことであるが、世のつねに澆季なるは、あたかも
黴菌
(
ばいきん
)
が自己の繁殖のために生じた酸類のために苦しむごとくに
動物の私有財産
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
といって、権門に
媚
(
こ
)
びる徒輩の
滔々
(
とうとう
)
として横行する
澆季
(
ぎょうき
)
を歎じているが、
一箪
(
いったん
)
の
食
(
し
)
一瓢
(
いっぴょう
)
の飲に満ち足りる沢庵にとって、公界は或いは苦界と見えたかも知れない。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「僕の母は
偽物
(
にせもの
)
だよ。君らがみんな
欺
(
あざむ
)
かれているんだ。母じゃない
謎
(
なぞ
)
だ。
澆季
(
ぎょうき
)
の文明の特産物だ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
婦人がかような正しい道理を教育家に対して申上るようになったのは、今の婦人が生意気なからでもなく、
澆季
(
ぎょうき
)
の世になったのだといって御歎息なされる訳もありません。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
それを見ると、
僧侶
(
そうりょ
)
と儒者と神道家とが三人寄り合ってしきりに世の
澆季
(
ぎょうき
)
を嘆いている。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
姥 ああ、お
最惜
(
いとし
)
い。が、なりますまい。……もう
多年
(
しばらく
)
御辛抱なさりますと、三十年、五十年とは申しますまい。今の世は仏の末法、
聖
(
ひじり
)
の
澆季
(
ぎょうき
)
、
盟誓
(
ちかい
)
も約束も最早や忘れておりまする。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところで、
澆季
(
ぎょうき
)
芸術の上に、情熱の古代的
迸出
(
へいしゅつ
)
を望むことは出来ない。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
世情ようやく
澆季
(
ぎょうき
)
に移り、人心ようやく
菲薄
(
ひはく
)
に流れ、国体まさにその神聖を減じ、忠孝まさにその活気を失わんとするに当たり、広くこの理を開示するは、ひとり真理のために要するのみならず
妖怪学講義:02 緒言
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
彼等はかつてナポレオンをオロシヤに破り、転じては若きエルテルの詩人を伊太利に送り、
澆季
(
ぎょうき
)
の今日に於ては鈍愚利の尊公をも酒倉へ送らうとする。人間はかくの如く常に温かくあるべきぢやよ。
木枯の酒倉から:――聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
世の中も
澆季
(
ぎょうき
)
になったように思われますて。4095
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
かような前例のない聖代に際会しておりながら、なお世の中には前代の夢を見ている人たちが多くあって、道徳が腐敗したとか
澆季
(
ぎょうき
)
になったとか歎息するのは
怪
(
け
)
しからん事だと存じます。
女子の独立自営
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
人は
澆季
(
ぎょうき
)
には生れたくないものだ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「
澆季
(
ぎょうき
)
の濁り世」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かえって反感と否定とを以て世の
澆季
(
ぎょうき
)
を
罵
(
ののし
)
ったりもするのである。
鏡心灯語 抄
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
“澆季”の意味
《名詞》
道徳が衰退し、情が薄くなった時代。
(出典:Wiktionary)
澆
漢検1級
部首:⽔
15画
季
常用漢字
小4
部首:⼦
8画
“澆季”で始まる語句
澆季溷濁
澆季澆季
澆季皇帝